悲しい気持ちとドキドキする気持ちと嬉しい気持ちとほっとした気持ちと、いろんな感情が詰まった一戦となりました🐻
決勝の舞台は、新国立競技場⚽
先週の天皇杯決勝から一週間、天皇杯を逃した現実を受け入れつつ、ルヴァンカップに向けて気持ちを上げていく、応援している側も準備が難しい一週間でした。
決勝戦当日、“よし、勝つぞ!”という気持ちというよりかは、“今日の終わりにはどんな結末が待ってるんかな…”という気持ちで自宅を出でました。
そして、スタジアム最寄りの都営大江戸線 国立競技場駅まで来たところで、ユニフォームに衣装替えです。
ここで、“よし、来たぞ”と改めて僕も気持ちを入れなおします。
初めて訪れた新国立は、“包まれた舞台”という印象を受けました
前半は、僕も初めての新国立でのサッカー観戦ということで、目の前で展開されている決勝戦という大一番とスタジアム内に響く両サポーターの歓声とで、少しふわっとした気持ちで見ていました。
個人的にこの試合、“打ち合いにはならないだろうな。前半はスコアレスも十分ある。”と思っていたので、前半はスキを作らず、失点せずに、チャンスがあれば仕留められればいいなと思って見ていました。
10月中旬の決勝戦。
僕の応援スタイルでは、半袖ユニは少し肌寒い天気。
ハーフタイムにはトイレ休憩を挟んで、いざ勝負の後半戦。
残り45分、追いかけないといけない展開を作ってしまうと厳しくなると思っていたので、ここからはサンフレッチェのゴールシーンだけを期待して、ピッチに視線を送ります。
すると、想像していたより早い時間に、思わぬ形で、というよりかは想像したくなかった形で試合が動きます。
サンフレッチェのゴールに向かっていくバックパスに相手FWが反応した瞬間、スタジアムの雰囲気が変わります。
僕もその変化を感じ取った瞬間、相手選手がボールに触れ、大迫選手と1対1になり、“えっ!!”というか、“わっ!!”というか、“まじ…”という感情が生まれます。
そして、相手選手が大迫選手の手を交わし、ゴールにボールを蹴りこみます。
相手チームの選手たちはゴール裏に駆け寄って喜びを分かち合おうとしていましたが、僕の目にはグランドに跪く佐々木選手が映っていました。
そのあと、スタジアムのビジョンに映し出された佐々木選手の、なんとも言えない表情に目が行きます。
これには、僕は“こんな形で失点してしまうかぁ…”という気持ちになりましたが、すぐに手を叩いて、気持ちを切り替えます。
ビハインドを背負った後、今年のサンフレッチェは後半、しかも残り15分に強いことを知っていましたが、それ以上に“カップ戦決勝の呪い”のようなしがらみが頭の片隅にあって、ネガティブな気持ちが心を離れないまま、応援を続けます。
後半18分のベンカリファ選手のヘディングが相手GKにはじき出されたシーンでは、“これでも決まらんのかぁ…”と、少しやけを起こしそうになります。
すると、試合も残り15分を迎えたところで相手が10人になります。
ですが、今年のサンフレッチェはリーグ戦では10人になったあとに得点を奪って勝利したというゲームがあったので、この場面では、気持ちに特別変化はありません。
なぜなら、繰り返しになりますが、ここは“カップ戦の決勝”だったので。
このあと少しファールが増える展開になりますが、時間は進み、ついには試合は後半アディショナルタイムに。
「あきらめたら そこで試合終了」というのは分かっているつもりではいますし、サッカーではワンチャンスで点を取れるというのはこれまでも見てきましたが、なかなかその絵を描けないでいました。
そんな気持ちの中で迎えた、同点に追いつくPKの判定となったシーン。
VARのオンフィールドレビューの映像がビジョンに映し出されたとき、正直なところ、観客席から見ていたビジョンを見つめていた僕にはハンドかどうか分かりませんでした。
でも、ここでも精一杯、手を叩きました。
“雰囲気”を作るためというか、なんとかしたかったし、その場にいる自分が出来ることがそれくらいしかなかったので、そういう気持ちで手を叩いていました。
そして、ゴールネットが揺れたのを見て、得点が入ったことを実感します。
が、まだ同点です。
この日は、勝たないと心から喜べません。
と思っていたのですが、歓喜はすぐに訪れました。
ピッチの角からゴール前へボールが蹴りこまれ、角度が変わってゴールに吸い込まれていくのを目にした。
実際、スタジアムで感じた、体感したのは、それくらいのことでした。
そのあと、わー!!!と歓声が上がり、僕も周りも席を立って手を挙げて喜んで。
直後のキックオフ後に、相手選手のシュートにこれまたスタジアムが沸きます。
“まさか、これ以上のドラマが準備されてるんか…!?”という思いも一瞬頭をよぎりましたが、その直後に試合終了の笛がスタジアムに響きます。
やっと、やっと、ホントにやっと掴んだカップ戦のタイトルです。
新国立に響く広島ナイトは、心に響きました。
そして、なにより、この日は選手のプレーに気持ちを動かされました。
前回タイトルを獲得したのが2015年、そこから選手も大半が入れ替わり、そして、先週の天皇杯からの流れを考えると、勝つと負けるとで、これ以上の違いはないくらい、大きな勝利になりました。
試合後は、もちろん嬉しさも感じましたが、ほっとした気持ちのほうが大きかったように感じました。
そして、これからに期待する気持ち、これからが楽しみな気持ちがより大きくなりました。
帰ってから、録画していおいた中継を見ながら祝杯。
失点直後の佐々木選手の表情が僕にはとても印象的で、そしてこの一週間の満田選手の気持ちを想像すると、勝ってよかったなと実感します。
サポーターにとっては、長く応援していればまたチャンスが来るかもしれませんが、選手にとっては、ホントにそのプレーは一瞬であって、でも、きっとずっと記憶に残るものだと思うので。
そして、前半から献身的なプレーを見せてくれていたベンカリファ選手。
ゴールシーンももちろんですが、最高の弓矢パフォーマンスを見せてくれたピエロス選手。
彼らの試合内外でのふるまいを見ていると、チームに馴染もうとしている気持ちが伝わってきますし、これからもサンフレッチェで多くのゴールを見たいなと思わせてくれる選手だなと感じていています。
最後に。
今回の大会、昨日の決勝だけではなく、これまで共に戦った仲間みんなで掴んだ優勝だということも忘れないように、ここに書いておきます。
ケガや移籍でチームを離れた選手のプレーもあってのタイトルです。
そして、これまでサンフレッチェに関わってきた選手の力もあってだと、信じています。